米国英語の発音
実用英語は、学ぶ意志があれば独学できると思われます。
「どんな言語でも、〈発音〉〈文法〉〈単語と決まった言い方〉の3つの分野があり、この順番で修得すべき内容が少ない、しかし、この順番で重要である」ということを以前に書きました。ここで言う〈文法〉とは、文法的に正しい文を言うことができる能力のことです。
さて、その発音ですが、発音記号が正確に読めればよいわけです。できているかどうかは、例えば、iPhone の「メモ」に英語音声入力してみて、自分が言ったことが文字として出てくるかどうかを試してみれば、ある程度できているのかどうかがわかります。
米国英語の発音については、YouTube で「サマー先生と英会話」を検索してみてください。日本語を母語とする人のための米国英語の発音をテーマとするチャンネルが見つかります。
私がこれまでに英語を教えた経験から言えば、bat -- but, heart -- hurt, lead -- read, think -- sink, east -- yeast をすべて区別して発音できて、聞き取れる人は、日本語を母語とする人の中では稀です。逆に言えば、上記の単語を区別して発音でき、聞き取れるようになれば、日本語を母語とする人としては、かなりマシな段階に至ることができます。
今、「聞き取れる」と言いましたが、〈相手が言っていることを聞き取れる〉能力や〈自分が言いたいことを言える〉能力と、上記の〈発音〉〈文法〉〈単語と決まった言い方〉との関係はどうなっているのでしょうか。〈相手が言っていることを聞き取れて、自分が言いたいことを言える〉能力は、〈発音〉〈文法〉〈単語と決まった言い方〉の総合力であると思われます。
また、「サマー先生」のチャンネルを見ればわかることですが、辞書に載っている発音記号どおりの発音と、現実に米国人が話す発音との間には、いくつかの違いがあります。そういう問題も実はありますが、しかし、それはまず辞書に載っている発音記号どおりに言えるようになってからの問題ではないかと思われます。最も違いが顕著なのは、おそらく [t] の発音でしょう。
また、どんな外国語の発音でも言えることでしょうが、外国語の発音は、できる人とできない人に分かれます。できるに越したことはありませんが、できない場合は、〈実用的に通用する外国なまり〉のレベルになれば実用上はよいので、〈文法〉学習を進めるべきでしょう。